2019-2020年度 国際ロータリーテーマ


2019-20年度国際ロータリー会長
マーク・ダニエル・マロ―二―

ロータリーは世界をつなぐ

 ロータリーの礎は「つながり」です。若い弁護士としてシカゴにやって来たポール・ハリスがロータリーを創設した最大の理由、それは見知らぬ街で他の人たちと「つながる」ことでした。それから1世紀以上が経った今、私たちの周りには、ポール・ハリスの時代には想像も出来なかったような友情とネットワークを築くための方法が数多く存在します。それでもロータリーにおける「つながり」は独特で有り、他に類を見ません。

 国際ロータリーには、地域社会とつながり、職業のネットワークを広げ、強くて末永い関係構築ができる確固とした使命と構造が有ります。会員による数多くのプロジェクトやプログラム、ポリオ撲滅活動におけるロータリーのリーダーシップ、国連との協力などを通じ、私たちはグローバルコミュニティとつながっています。私たちの奉仕活動は、同じ価値観を共有し、より良い世界の為に行動したいと願う人々の結びつきをもたらします。又、ロータリーが無ければ出会う事の無かった人びと、共通の考えを持った人びと、私たちの支援を必要とする人々とつながり、世界中の地域社会で人生を変えるような活動を行う事を可能にしています。

 21世紀の新たな10年の始まりに、私たちはロータリーの未来を形作っています。2019-20年度、ロータリーは新しい戦略計画を実行に移し、規定審議会が採択した革新性に応え、より活性化された重点分野に於いて活動します。しかし、ロータリーの未来を形作る本当の場所はクラブです。刻々と変化する現実に対応するために、ロータリーはクラブに注力していかなければなりません。

 クラブはロータリーでの経験の中心部ですが、今ではクラブの在り方をより創造的かつ柔軟性をもって決める事が出来ます。これには例会の方法や、何をもって例会とするかを検討することも含まれます。会員増強のアプローチにおいては、組織立った戦略的・革新的な方法が必要です。そうする事で、地域社会とのより広く、深いつながりが出来るだけでなく、より多様な会員に魅力を感じてもらい、積極的な参加を促す事が出来るでしょう。

 実際のところ、ロータリーは家族です。そうであるにも関わらず、会員組織の構造やリーダーシップの要求がある事等で、今日の若い職業人にとってはロータリーが手の届きにくい存在となって居る様です。ロータリーは家族との時間を犠牲にするのではなく、家族との時間を補うような経験を提供する場である必要があります。クラブが暖かく、みんなを受け入れる様な雰囲気があれば、家族と奉仕活動は両立出来、家族志向の若い職業人にロータリー奉仕や市民としての参加の機会を提供できます。又、ロータリーの役職に対する期待事項を、多忙な職業人に合わせて現実的かつ管理可能なものとする事で、将来ロータリーのリーダーとなる次世代のロータリアンのスキルを高め、ネットワークを築く事が出来るでしょう。

 2019-20年度には、「ロータリーは世界をつなぐ」のテーマの下、ロータリーの奉仕を通じて、有能で思慮深く、寛大な人々が手を取り合い、行動を起こすためのつながりを築いてまいりましょう。